知っておこう! タイプ別ストレスサイン②

前回の記事では、16種類の性格タイプによって、ストレスに晒されたときに陥りやすい思考や行動の傾向があるとお伝えしました。本記事では、前回お伝えしきれなかった各タイプのストレスサインについてまとめてみました。

前回の記事はコチラ↓

もくじ

  1. 各タイプの劣勢機能とストレスを受けたときの行動
  2. I×TP型の反応
  3. ES×P型の反応
  4. I×FP型の反応
  5. EN×P型の反応
  6. 5分でできるストレスチェック
  7. まとめ

各タイプの劣勢機能とストレスを受けたときの行動

それでは、各タイプの劣勢機能を確認しつつ、強いストレスや不安を抱えたときに現れやすい思考や行動をみていきましょう。

劣勢機能16種類の性格タイプ
外向直観ISTJ ISFJ
内向感情ESTJ ENTJ
外向感覚INTJ INFJ
内向思考ESFJ ENFJ
外向感情ISTP INTP
内向直観ESTP ESFP
外向思考ISFP INFP
内向感覚ENTP ENFP
各タイプの劣勢機能

I×TP型の反応

現実に即した生きた方を好む超実践的なISTPも、論理的、客観的にものごとを分析、推理していくINTPも、ともに苦手なのは外向感情と呼ばれる心理機能です。外向感情とは、ひらたく言えば周囲の人間の感情に注意を向ける機能のこと。この外向感情が未発達な状態にあると、ストレスを抱え込んだときに普段の冷静沈着な思考は姿を消し、感情が大爆発。それまで吐露することのなかった心の裡を一気に吐き出そうとします。怒りが爆発したときに泣き喚いたり、モノに八つ当たりしたりと激しい行動に出やすいのもこのタイプ。わかりやすいストレス反応とも言えますが、周囲はかなり驚くでしょう。

もし、ISTJやISFJが後になって恥ずかしくなるほどの激しい感情を人前で見せたのならば、それはストレスサインかもしれません。得意の内的思考を駆使して自分に関する情報を客観的に分析し、現実に即した解決策を見出せるといいですね。

ES×P型の反応

目や耳などの五感を使って外界の情報を集めるESTPとESFPが苦手とするのは、内向直観と呼ばれる心理機能です。内向直観が何なのかを言葉で説明するのは難しいのですが、自身の内側から湧き起こる「ひらめき」と理解するとよいでしょう。実際に空に浮かぶ雲を見て、ソフトクリームや魚の群れを連想するのが外向直観だとしたら、内向直観とは自分の中に蓄積された雲のイメージを結合させて、新たなひらめきを得る心の機能と言えます。

客観的にものことを判断し、素早く現実に適応するESTPですが、ストレス下に於いては、苦手とする内向直観がはたらいた結果、ネガティブな空想が頭の中に広がります。さらに悪いことに、このネガティブな空想を自分のなかで論理的に説明しようとして、現実をゆがめて解釈するようになるのです。また、五感をフルに活用して人生を謳歌するESFPも、ストレスのもとでは、五感を使って得た情報をネガティブな空想に結びつけ、「私なんて誰からも相手にされない、取るに足らない人間なんだ」と思い込んでしまう傾向にあります。

I×FP型の反応

自身の価値観に裏打ちされた信念に忠実ながらも、他者を受け入れる寛容さを持ち合せたISFPとINFP。心優しきこれら2つのタイプがストレスに晒されると、ものごとを論理的、客観的に分析する外向思考の機能が発動されます。ただ、ISFPとINFPは外向思考が苦手なため、客観性や論理性に欠けた否定的な考えをするようになります。その結果、自分や他人に厳しくなり、さらには、ものごとを批判的に捉えて決めつけ、言葉も辛辣になるでしょう。

ISFPやINFPが攻撃的になっていたら、それはストレスが許容範囲を超えつつあるということ。ストレスのもとから離れ、今一度、自分の価値観を見つめ直して態勢を立て直すようにしましょう。

EN×P型の反応

日頃からインスピレーションをフル稼働させ、あらゆる選択肢を吟味しながら生活しているENTPとENFP。この二つのタイプがともに苦手とするのは内向感覚です。内向感覚とは、目や耳などの五感を使って外界の情報を取り入れ、自分の経験として蓄積していく心の機能のこと。ENTPがストレスの多い環境に置かれたとき、未熟な内的感覚が発動し、大筋から外れた細かな事実や重要ではない事柄に気を取られ、ほかの可能性に考えが及ばなくなってしまいます。ENFPにおいても、歪められた事実に普遍性を見出そうとするため、あらゆる選択肢を吟味することができなくなります。

ENTPやENFPが何か一つの事柄にこだわっていたら、それは何らかのストレスサインかもしれません。いったん、自分のこだわりや気になっている事柄から物理的、時間的に距離をとりましょう。場所を変えたり、時間を空けたりすると気分も変わるため、心機一転、新たな視点からものごとを捉え直すことができるかもしれません。

5分でできるストレスチェック

嵐のまっただ中にいるときは、雨風を凌ぐだけで精いっぱい。自分を取り巻く状況について客観的に見ることは難しいかもしれません。ストレスに晒されているときも同様で、ストレスの原因に対処するのに気を取られ、自分が頑張り過ぎていることに気づかないケースもあります。すると、心が悲鳴をあげる前に体に何かしらの不調が表われることも珍しくありません。厚生労働省が運営する「心の耳」という働く人のメンタルヘルス。ポータルサイトでは、知らず知らずのうちに職場でストレスを溜め込んでいないか5分でセルフチェックできます。心の不調も早期発見と早期治療が大切。一度、自身のメンタルヘルスに注意を向けてみてはいかがでしょうか。

まとめ

ここで挙げた行動は、16種類の性格タイプによる「傾向」にすぎません。メンタルヘルスを大きく崩して今まで楽しめていた趣味が楽しめなくなったり、食欲不振や不眠が顕著になってきたりしたら迷わず医療機関を受診して適切な治療を受けることをお勧めします。