知っておこう! タイプ別ストレスサイン①

ストレスや不安を感じたとき、どのように対処するかは人それぞれかと思います。一人趣味に没頭して忘れる人もいれば、家族や親しい友人と楽しく会話をして発散させる人もいます。ただ、学業や仕事、家族の世話などで忙しいときは、ストレスや不安を解消するための時間がとれず、知らず知らずのうちに、さらなるストレスや不安を抱えてしまうことになりかねません。あるいは、自分がストレスを抱えていることすらわからなくなることも。本記事では、ストレスフルな状況下に置かれたとき、どのような思考や行動が現れやすいのか、16種類の性格タイプ別に解説していきたいと思います。

もくじ

  1. 気分障害を訴える人の半数以上が働き盛り世代
  2. 16種類の性格タイプによってストレス時の反応がわかる
  3. 各タイプの劣勢機能とストレスを受けたときの行動
  4. IS×J型の反応
  5. E×TJ型の反応
  6. IN×J型の反応
  7. E×FJ型の反応
  8. まとめ

 

気分障害を訴える人の半数以上が働き盛り世代

気分障害とは、うつ病や躁うつ病のことで、普段のレベル以上に気分が落ち込んだり(うつ病)、逆に高揚と落ち込みを繰り返したり(躁うつ病)する心の病です。

厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/18/backdata/01-01-02-09.html)が、医療機関に対して3年ごとに実施している患者調査によれば、気分障害を訴えて通院している患者数は、1996年に43.3万人だったのに対し、2017年には127.6万人3倍近くにも増えています。なかでも、患者数の半数以上が30~50代の「働き盛り世代」という結果が出ており、うつ病や躁うつ病は、けっして他人ごとではありません。

16種類の性格タイプによってストレス時の反応がわかる

心には「利き手」のようなクセがあるでは、心の機能にも得手不得手があるとお伝えしました。ストレスや不安に晒されたとき、人は無意識のうちに利き手ではないほうの心理機能を使います。日頃、使い慣れていないため、上手に使いこなすことができず、極端に悪い方向へ考えたり、行動したりしてしまうのです。つまり、ストレスに対してどういった思考や行動をとるかは16種類の性格によってある程度、類型化されると言えます。

人間は、目の前の現実に圧倒されているとき自分の感じているストレスや不安に気づかないことがあります。気づかなければ意識的に対処することができず、ややもすれば心のバランスを大きく崩したり、日常生活や人間関係が破綻したりする可能性も出てきます。ですから、自分の性格タイプを知ると同時にストレス時の思考や行動の「癖」を把握することによって、「こんな考え方をするとは、私はストレスや不安を抱えているのかもしれない」と自分自身を一歩引いた場所から眺めることができます。その客観的な視点がストレス対処への第一歩となるでしょう。

各タイプの劣勢機能とストレスを受けたときの行動

ここでは、各タイプの劣勢機能を確認しつつ、強いストレスや不安を抱えたときに現れやすい思考や行動をみていきましょう。

IS×J型の反応

ISTJとISFJが苦手とする心理機能は、外向直観です。外向直観とは、何の関連もなさそうな事柄や現象の背景に意味を見出して関連付けて考えたり、未来の可能性に目を向けたりする心の機能です。普段ならば事実に基づいて得た情報を使って熟慮黙考する冷静なISTJがストレス下に置かれると、得られた情報から事実に即さない大げさな解釈をしてしまいます。また、常日頃から周りのニーズを察して人や組織のために労力を惜しまない思いやりに溢れたISFJでも、不安が大きいときは、些細なできごとから将来を悲観して考える傾向にあります。

もし、ISTJやISFJがストレスや不安を抱えているとき、ネガティブな考えが心に浮かんだら、それは事実なのか、根拠はあるのかと冷静に振り返ってみることをお勧めします。

E×TJ型の反応

現実世界の問題を客観的に分析して対処していくESTJと、ものごとを合理的に進めていこうとするENTJの劣勢機能は内向感情です。内向感情とは、ひらたく言えば自分自身の内なる声や価値観のこと。普段、論理的な思考を駆使してエネルギッシュに問題解決にあたっているESTJやENTJが思うように手腕を発揮できないと、自分は不要な存在だと考えて孤独になったり、自分の悩みや深い悲しみを心に仕舞いこんで一人悶々と悩んだりしてしまうでしょう。

周囲はあなたの論理的な尺度や毅然としたリーダーシップを否定しているわけではありません。孤独を感じたときは、少し弱音を吐くことで周りからの共感を得られ、必要な協力が得られるかもしれません。

IN×J型の反応

本やネットから得られた知識をもとに独自のシステムや考えを構築できる独創的なINTJの劣勢機能は外向感覚です。外向感覚とは、目の前にある現実を堪能し、五感を使って人生を謳歌しようとする心理機能のこと。この外向感覚が好ましくない方向へ現れると、暴飲暴食に走ったり、スマホのゲームに没頭しすぎたり、さらには普段は気にも留めない周囲の環境に対して必要以上に神経質になったりするでしょう。

INTJと同じく外向感覚を劣勢機能に持つのがINFJです。普段は、驚異の直感力を発揮して周りの人の気持ちやニーズを察することができますが、ストレス下に置かれると、暴飲暴食に走ったり、衝動買いによって気を紛らわせたりしてしまうことも。また、自分の興味外のことは気にしなかったのに、突如、強いこだわりを持つようになって頭から離れなくなってしまいます。

もし、INTJやINFJが自堕落な生活に陥ったり、ひとつのことに必要以上に捉われたりしたら、刺激となる感覚世界から離れ、思索に耽ることができる自然の中に身を置いてみるのがよいでしょう。

E×FJ型の反応

社交的で面倒見の良いESFJと周囲と温かな関係を築きながら組織をまとめるリーダータイプのENFJの劣勢機能は、ともに内向思考です。内向思考とは、外界から集めたさまざまな情報を自分のなかで吟味する心理機能のこと。ストレスフルな状況のもとでESFJは、日頃の面倒見の良さが一変。自分にも他人にも厳しく、批判的になり、そのネガティブな思考にさらに悩まされてしまいます。一方、他者の良い面を見て引き出そうとするENFJは、人の欠点に目がいき、突如として批判的になることも。他者への否定的な感情が頻繁に頭に浮かんで落ち着かなくなってしまいます。

もし、ESFJやENFJがネガティブ思考に襲われてしまったら、ストレスのもとになっている人間関係や環境からいったん離れて、おいしいものをお腹いっぱい食べたり、思い切り泣いたり笑ったりできる映画を観ることをお勧めします。

まとめ

ここで挙げた行動は、16種類の性格タイプによる「傾向」にすぎません。メンタルヘルスを大きく崩して今まで楽しめていた趣味が楽しめなくなったり、食欲不振や不眠が顕著になってきたりしたら、迷わず医療機関を受診して適切な治療を受けることをお勧めします。