ISFJはこんな人
16種類の性格の中でも、世界人口に占める割合が11%~13%と最も多いと言われているのがISFJです。日本国内でも8%強と内向型の中ではISTJに次いで多いという結果が出ています(国内版MBTIマニュアルによる)。ISTJもISFJも内向感覚を主として使うSiタイプ。現実的、実践的、具体的な情報を細部にまで注意を払って取り入れる傾向があります。ただし、ISFJの場合は外向感情を補助機能に持つため、人の気持ちにはかなり敏感。蓄えた情報をひたすら課題解決に役立てようとするISTJとは違い、人に喜んでもらうために使おうとするのが大きな特徴です。
もくじ
- ISFJの特徴
- ISFJの強み
- ISFJの弱点
- ISFJがもっと活躍するためには

ISFJの特徴
ISFJの特徴を一言で表すと、思いやりに溢れる組織人です。
主機能である内向感覚のはたらきによって、実際に起こっていることをありのままに受け止め、注意深く観察し、たくさんの情報を取り込みます。また、外向感情を補助機能として持つため、周りの人のニーズを察するのがうまく、自分がどんな役割を求められているのかを理解して対処しようとします。
対処の仕方は感覚タイプらしく、飽くまで現実的かつ実践的な手法。昔ながらの伝統に重きを置くため、突飛で外れたことはよほどの根拠がない限り試しません。飽くまで既存のルールや秩序にのっとって周囲の役に立とうと努めのがISFJの尽くし方です。
責任を持って自らの役割をまっとうする姿勢は、ISFJが所属するグループへの高い帰属意識となって表れます。ISFJが“組織人”という印象を与えるのも、自分よりも他人の要求に応えたいという思いに端を発した、高い帰属意識のせいかもしれませんね。
ISFJは争いや対立を好みません。控えめでおとなしい性質もあいまって、人と対立しそうになると自分の意見を引っ込めてしまいます。常日頃からフレンドリーに接しているのも、周りとの調和を重んじるからです。自分の内側に関心が向きやすい内向型のなかでは比較的、社交性に富んでいます。しかし、課題に集中するときは一人で考えを煮詰める時間も必要なので、そっとしておいてあげましょう。
ISFJの強み
ISFJの一番の強みは、本来の心の機能とは相反するはたらきが長所となっている点です。まず、内向型の中では社交性に富むタイプで他者と温かい関係を築く能力に長けています。次に、伝統を重んじる保守的な面はありますが、人の役に立つという根拠があれば、あたらしいことも取り入れる柔軟性を備えています。そして、他人の感情に敏感ながらも、情動に振り回されることはなく、地に足が着いていて限りなく現実的です。
この現実的な感覚は、人を手助けするときにも発揮され、より実践的な手法を使って周りの役に立とうとします。永遠の支援者とでもいうべきか、人に喜ばれることを最上の喜びとしているISFJは、自分の行動や知識によって他人に感謝されると嬉しいのです。職場においては、自分の仕事を最後まで責任を持ってやり遂げるだけでなく、親切で面倒見のよい上司や先輩となって慕われます。家庭においても、夫として妻としての役割を果たそうと頑張ります。一生懸命に働いて家族を養いたい、家の中をきれいに整えて家族に居心地よく過ごしてほしい。そのような思いから自分よりも家族の幸福に身を捧げるタイプです。
ISFJの弱点
ISFJは人の役に立つことを至上の喜びとしながらも「やってあげた感」を出しません。控えめで謙虚なところは間違いなく長所なのですが、逆に心無い人たちから利用されて手柄を横取りされてしまうこともあり得ます。調和を図らなければという強い思いも仇となり、たとえ利用されたとしても相手との対立を避け、黙って耐えてしまうことも。そのうっぷんが陰口となって現れないことを祈るばかりです。
また、ISFJには決めたことを最後までやりぬく真面目さと責任感が備わっています。周りからの期待を感じたならば、自らの限界を超え、無理をしてでもその期待に応えようと努力をするのです。度を越した献身ぶりは傍で見ているほうがハラハラするほどです。このようにISFJの弱点は得てして長所の裏返しであることが多いです。
ISFJがもっと活躍するためには
人がよすぎて悪意ある他人から利用されやすいため、言うべきときには、しっかり断る術を身に着けることが大切です。感情的にならず、理路整然と断ることができるようになるとよいですね。それ以前に、「断るべきかどうかもわからない」というISFJもいるかもしれません。人の感情に敏感なタイプは自分の気持ちに気づきにくくなります。内なる声に耳を傾けるためにも、芸術や文学にふれて心を解放してあげるとよいでしょう。現実的で具体的な情報は人生を送るうえで大いに役に立ちますが、たまには絵画や音楽などの抽象的なものにふれて心が赴くまま自由な発想をしていくと、劣勢機能である外向直感が発達し、今まで以上に人と関わる際の可能性が開けてきます。
また、責任感が強いあまり、ものごとを必要以上に重く受け止めてしまう傾向があります。相手は軽い気持ちで頼んでいるつもりでも、相手の役に立ちたいと願う生真面目なISFJは何日も前から準備を整えてスタンバイしているなどということも。その結果、ちょっとした依頼にも負担が大きいと感じて疲れてしまうことがあります。もう少し肩の力を抜きましょう。
まとめ
人の役に立ちたいと切に願うISFJは、医療や福祉、教育の現場で働いている可能性が大きいです。支援を必要とする人たち一人ひとりと実直に向き合っている医師や看護師、社会福祉士、教師がいたら、その人はISFJかもしれません。世の中の構成員がすべてISFJばかりだと世界も平和になるのでしょうか。それぐらい善行に身を捧げるすばらしい資質の持ち主です。