あなたは何者で、何をするために生まれてきたの?

今から1分間、初対面の人にあなたを理解してもらうための自己紹介を行ってください。

そう言われたら、どんなふうに自分を表現しますか?

名前、年齢、星座や血液型、出身地、好きな食べものや好きな芸能人を伝えますか?

そうした属性は、確かにあなたを表すための重要な要素かもしれません。

では、隣に座っている誰かが、あなたとまるっきり同じ名前、年齢、星座や血液型、出身地だったらどうしますか?

おまけに好きな食べものや好きな芸能人まで同じだとしたら…。

あなたと隣の人は同一人物なのでしょうか?

そうは思いませんよね。

あなたは何者で、何をするために生まれてきたのか。隣の人物とはどこが違うのか。

そうした自己理解を促すためにつくられた性格タイプの検査、それがMBTIなのです。

MBTIとは、[Myers-Briggs Type Indicator]の頭文字の略であり、【Myers-Briggs】はMBTIを開発した母娘の名前です。

マイヤーズとブリックスは、MBTIを開発する際、スイスの精神科医にして心理学者であるユングが提唱した心理学的タイプ論を用いました。MBTIにふれる前に、ユングの心理学的タイプ論についてお話しします。

Myers:イザベル・ブリックス・マイヤーズ(娘 1897-1980)

Briggs:キャサリン・クック・ブリックス(母 1875-1968)

ユングが提唱した心理学的タイプ論

ユングは、複雑かつ掴みどころがないように思われる人の心の多様性を、心理学的タイプ論を用いることにより、理論的に体系立てて説明しました。

ユングによると、わたしたちの心が活動しているときには2つの活動機能がはたらいているそうです。

その2つとは、情報を取り入れる際にはたらく「知覚機能」と取り入れた情報を整理し何らかの結論を導き出す「判断機能」と呼ばれるものです。

  • 知覚機能 情報を取り入れる
  • 判断機能 何らかの結論を導き出す

さらにユングは、知覚機能と判断機能には、それぞれ対極の方法があると考えました。

知覚機能には感覚と直観という対極する2つの方法が、判断機能には思考と感情という対極する2つの方法が存在するのです。

こうした機能とは別に、ユングは心のエネルギーが向けられる方向にも2つの対極的な機能があると考えました。その2つが「外向」と「内向」と呼ばれる機能です。外向とは、周囲の人やできごと、実際の体験といった自分の外の世界に関心が向きやすい傾向のこと。いっぽう内向とは、自分の記憶や思いなど自分の内側の世界に関心が向きやすい傾向のことです。

ユングによる性格8タイプ

さて、数学の確率が得意な方はすでにお気づきでしょう。ユングの心理学的タイプ論によれば、わたしたちの心の機能には8つのはたらきがあることがわかります。

これら8つの機能は誰にでも備わっていて、多かれ少なかれ使用できます。しかし、ある人は「外向される感覚」が使いやすく、またある人は「内向される思考」を頻繁に使っています。つまり、8つのうちどの機能を使いやすいか、得意とするかは人によって違うのです。そして、この違いこそが人の心の多様性、すなわち性格の違いであるとユングは考えました。

心のエネルギー(外向と内向)× 知覚機能(感覚と直観)× 判断機能(思考と感情)=8つの心の機能

主機能の違いにより表に現れる性格も違ってくる。

  1. 外向きの感覚 実際の経験から学ぶ、実践的で現実的なタイプ。周りを注意深く観察する。
  2. 外向きの直観 アイデアにあふれていて創造的。ものごとの新しい可能性に気づき、精力的に挑戦する。
  3. 内向きの感覚 情報収集が得意な現実的かつ実践的なタイプ。物事を正確にやり遂げる几帳面さ。
  4. 内向きの直観 先々の見通しを立てることが得意な洞察力に富むタイプ。複雑な思考の持ち主。
  5. 外向きの思考 非効率的なことを嫌い、物事を理論的、批評的、分析的に捉える。自身の決断を表明する。
  6. 外向きの感情 周囲の人を支援したり、励ましたりする温かく思いやりがあるタイプ。
  7. 内向きの思考 一歩ひいて客観的に批評する。合理的な判断を得意とする。
  8. 内向きの感情 自分の価値観や考えに沿って行動する。人の気持ちに敏感で思いやりがある。

マイヤーズとブリックスによるタイプ論

ユングが提唱した心理学的タイプ論には、上記8つの機能があります。このうち、わたしたちがもっとも自然に使って得意とする機能を「主機能」と呼びます。マイヤーズとブリックスは、この主機能のほかに、「補助機能」「第3機能」「劣勢機能」の存在を提唱し、主機能から順番に優位にはたらいていると考えました。そして、補助機能のはたらきを定義づけることで16種類のタイプ論を打ち出しました。

なお、第3機能や劣勢機能が発達するのは、中年期以降の人が大半であり、それまでに使うのはもっぱら主機能と補助機能ということになります。

   主機能    補助機能   16種類のタイプ

  1. 外向感覚   内向思考     ESTP 
  2. 外向感覚   内向感情     ESFP
  3. 外向直観   内向思考     ENTP
  4. 外向直観   内向感情     ENFP
  5. 内向感覚   外向思考     ISTJ
  6. 内向感覚   外向感情     ISFJ
  7. 内向直観   外向思考     INTJ
  8. 内向直観   外向感情     INFJ
  9. 外向思考   内向感覚     ESTJ
  10. 外向思考   内向直観     ENTJ
  11. 外向感情   内向感覚     ESFJ
  12. 外向感情   内向直観     ENFJ
  13. 内向思考   外向感覚     ISTP
  14. 内向思考   外向直感     INTP
  15. 内向感情   外向感覚     ISFP
  16. 内向感情   外向直感     INFP

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